

山梨県は、県土面積の約8割を森林が占める森林県です。
先人が育んできた豊かな森林は、県土の保全、水資源のかん養、木材の生産など、様々な機能により県民福祉の向上に寄与してきました。
近年、森林には保健休養や環境教育、都市住民の癒しの場としての役割や、温室効果ガスの吸収固定による地球温暖化防止への役割にも大きな期待が寄せられるなど、私たちが暮らしていくうえで、欠かすことのできない県民共有の貴重な財産です。
また、良好に保全、管理され、その機能を発揮してきた本県の森林は、豊かな自然やおいしい水の源として、県内はもとより下流域の首都圏にも大きな恵みをもたらしてきました。
しかし、近年、林業活動の停滞や、山村地域の過疎化、高齢化により手入れ不足の森林が目立ってきました。
また、人と森林との関わりが希薄になってきたことにより、里山の生態系や野生動物の生息状況にも変化の兆しがあります。
こうした中で、森林の様々な恩恵を享受してきた本県は、緑豊かな森林を守り、その機能を高めながら健全な状態で次の世代に引き継いでいくため、今後、更に積極的な森づくり活動に取り組んでいく必要があります。
また、下流域に恵みをもたらす上流県、森林県として、森林を守るための新たな仕組みづくりや、上下流が一体となった取り組みを進めるなど、その役割を果たしていく必要があります。
このためには、森林・林業関係者による森林保全活動や林業生産活動に加え、企業や団体、学校、森林ボランティア等による森づくり活動を通じて、県民や流域住民の一人ひとりが植樹や保育などの活動への参加や、暮らしの中に木材を積極的に利用するなど、森林との関わりを持ち続けていくことが大切です。
こうした取り組みを進めていくため、森づくり活動の推進組織として「やまなし森づくりコミッション」を設立し、県民や流域住民をはじめ企業、団体等による森づくり活動を支援することにより、県内はもとより下流域の広大な地域に大きな恵みをもたらす豊かな森林を次の世代に伝え残していきます。
平成19年8月7日